自動運転バスの普及でドライバー不足解消へ

2024年8月6日

大手ゼネコンの鹿島建設は、8月より、一定条件下で運転手を不要とする「レベル4」の自動運転バスの実証実験を羽田空港に隣接する大型複合施設で始めると発表しました。ソフトバンク子会社で自動運転を手がけるボードリー(東京都港区)などと共同で実施するもので、民間主体のレベル4の実証実験は国内初です。

自動運転バス普及の背景

バス業界では、時間外労働の上限規制の適用や運転手の高齢化により、運転手不足が深刻化しています。運転手不足は、路線バスの廃止や減便の原因として社会問題とされています。このような問題を解決する手段の一つとして自動運転バス普及と技術の確立が急がれています。

一定条件下で運転手を不要とする「レベル4」の自動運転バス

自動運転はシステムの支援度合いによって5段階のレベルに分類され、レベル4は道路や気象の条件が整った場合、運転を完全に自動化することができます。今回の「羽田イノベーションシティ」(東京都大田区)の敷地内での実証実験では、当面はスタッフを配置して乗車案内や事故発生時の救護などの対応を行いますが、将来は遠隔で監視しながらの運転手なしの運行へと切り替える予定です。鹿島建設は自動運転の交通インフラ運用の知見を深め、今後の都市づくりに生かす狙いです。

全国のドライバー不足解消への動き

こうした中、政府はバスの自動運転の実用化に向けた支援を、今年度の経済財政運営の指針「骨太の方針」に盛り込みました。補助金の交付や手続きの簡素化などを進め、全国各地で実証実験を後押しする目的です。今年度は一般道での自動運転について全国約100カ所で計画・運行を行う方針です。

<引用:読売新聞 https://www.yomiuri.co.jp/economy/20240728-OYT1T50128/