『平面Y型』インターチェンジとは?逆走事故が起こりやすい理由

2025年5月12日

栃木県の東北自動車道上り線で発生し、3人が命を落とした逆走事故は、乗用車がインターチェンジ(以下「IC」)に誤って進入したことが原因とされています。
この事故のあった「平面Y型」と呼ばれる構造のICは、進入方向を誤りやすく、逆走事故が発生しやすいとされています。さらに、このタイプのICは全国に多数存在しています。

逆走が起こりやすい特徴的な構造

「平面Y型」は、道路がY字に分かれていて、本線と出入口のランプが近い位置に接続されているのが特徴です。そのため、出口と入口を見間違えてしまうケースが起こりやすくなります。
また、Y字に分かれる角度が緩やかなため、どちらの道も自然に進めてしまう感覚になり、「ここを曲がれば大丈夫」と思って逆方向に入ってしまうことがあります。標識や矢印があっても、角度や道の形のせいで注意が向きにくいというのもポイントです。
さらに、平面構造であることから、立体交差のように上下の道路で物理的に進入を制限することができず、誤って入り込んでもそのまま進めてしまうという危険があります。こうした複数の要因が重なることで、平面Y型では逆走が起きやすくなっています。

省スペースやコストの問題で「立体交差できない」

「平面Y型」は構造的に逆走が起きやすいという弱点を抱えていますが、だからといって安易に採用されているわけではありません。この形式が選ばれるのは、地形条件の厳しさや周辺道路の交通量、さらに整備費用の制約など、さまざまな要因を考慮したうえで、立体交差が困難と判断された場所に限られます。つまり、本来であれば立体構造が望ましい状況でも、地形的に不可能だったり、交通規模や予算の関係で実現が難しい場合に限って、「やむを得ず平面Y型が採用される」といった事情があります。

「赤」「青」に色分け、ラバーポールで対策も

NEXCO東日本の管内には「平面Y型」ICが約40カ所存在し、逆走を防ぐためにさまざまな対策が施されています。たとえば、大型の矢印を路面に表示したり、高輝度の矢印板を設置することで、進行方向をわかりやすく示し、ドライバーの視認性を向上させています。さらに、案内標識と同じ色のカラー舗装を道路に施し、大型の方向案内看板と視覚的に統一することで、誤って進入するのを防いでいます。また、左折方向への誤進入が逆走につながりやすいため、ラバーポールやゼブラ帯を使って物理的に進入しにくくする対策も取られています。

(引用元:NEXCO東日本より)

(引用元:NEXCO東日本より)

<引用:読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/national/20250510-OYT1T50051/

<引用:NEXCO西日本
https://corp.w-nexco.co.jp/corporate/release/hq/h27/1127c/