高速道路での車両火災が多発!予防のカギは“日々の点検”

2025年5月15日

高速道路上での車両火災が多発しています。特に4月の首都高速では1ヶ月間に4件の車両火災が発生し、前年同月(2件)や2023年(0件)と比べても過去に例のない状況です。また、5月12日には、静岡県裾野市の新東名高速道路上り線で、大型トラックが火災に見舞われました。幸い運転手の男性に怪我はありませんでしたが、この火災により一時的に高速道路が通行止めとなるなど、交通にも影響が出ました。

気温の上昇が火災リスクを引き上げる

車両火災は特に気温の高い時期に多発する傾向があります。実際、首都高速で起こった4月の火災4件はすべて月の後半、気温が高まったタイミングで発生しています。5月以降は気温の高い日が増える傾向にあり、今年も気温の上昇に伴って車両火災のリスクが一層高まると考えられます。

高速道路での火災が危険な理由

高速道路では、長時間の連続走行によってエンジンが高温になりやすく、車内は窓を閉めた状態で走行することが多いため、異音や異臭などの異変にも気付きにくい傾向があります。
さらに、路肩やパーキングエリアまでの距離があるためすぐに停車することが難しく、トンネル内や交通量の多い区間では迅速な避難も困難です。これらの条件が重なることで、火災の発見や初期対応が遅れ、重大な事故につながるリスクが高まります。

車両火災の主な原因とは?

高速道路上で発生する車両火災の多くは、以下のようなメンテナンス不足やトラブルが挙げられます。

  • ・排気系からの出火(高温部に可燃物が接触)
  • ・内部配線のショート・漏電(電装系トラブル)
  • ・オーバーヒートや冷却水不足
  • ・オイル漏れによる引火
  • ・タイヤのバーストやブレーキの引きずりによる過熱
  • ・エンジンルームに置き忘れた布等の可燃物の発火

これらの原因を防ぐためには、日頃の点検とメンテナンスが不可欠です。

予防の基本は「点検」と「意識」

定期点検・日常点検の徹底

火災の未然防止には、日常点検や定期点検をしっかりと行うことが欠かせません。
オイルのにじみや漏れ、バッテリーのターミナルの緩み、異物の混入など、火災の要因となり得る小さな異常も、点検によって早期に発見できます。また、タイヤの空気圧、亀裂や損傷、溝の深さを確認することも大切です。
こうした不具合に適切な処置を早めに施すことで、車両の安全性を確保し、火災のリスクを大幅に軽減することが可能になります。

車内の可燃物を管理する

車両火災を防ぐためには、車内やエンジンルームに火災の原因となる物を残さないことが基本です。燃料やオイルの漏れはもちろんのこと、可燃性のある物質や、整備・洗車時に使った雑巾などの放置された異物が火災の引き金となる場合があります。
特に日常点検や整備、洗車の後には、エンジンルーム内に不要な物が残っていないかを必ず確認するようにしましょう。

小さな異変に気付くこと

車両火災には前触れとして、異常な臭い、煙、エンジンルームからの異音などの兆候が現れることがあります。高速道路を走行中に、普段と違う匂いや音、振動を感じたら、そのまま走行を続けず早めに安全な場所に停車し、非常電話や「道路緊急ダイヤル(#9910通話料無料)」などで相談してください。

車両火災の前兆を早期に察知することが極めて重要となります。
車両火災は予測不可能な状況で起こりうるため、日頃からの適切な点検を通じて、リスクを未然に回避することが求められます。

<引用:首都高速道路株式会社
https://www.shutoko.jp/news/2025/data/05/01_sharyoukasai/