高速道路の逆走対策強化へ!国交省が全国189か所を「重点対策箇所」に指定

2025年6月30日

年間200件前後続く逆走 依然として深刻な状況

高速道路での逆走は、依然として重大な交通事故の要因の一つです。国土交通省によると、2024年の逆走発生件数は全国で220件(前年比4件減)に上り、このうち50件が事故に発展、4件が死亡事故となっています。
特に注目されるのが、75歳以上の高齢ドライバーによる逆走が109件、65~74歳も41件と、約7割を高齢者が占めている点です。

全国189か所を重点対策箇所に選定

こうした状況を踏まえ、国交省は全国のインターチェンジなど189か所を、逆走リスクが高く「さらなる対策が必要な重点対策箇所」に指定。特に死亡事故が発生したケースや、逆走が繰り返されている地点が対象となっています。
2024年4月には、栃木県の東北自動車道・黒磯板室IC付近で逆走車による重大事故が発生し、3人が死亡しました。このICでは「平面Y型」と呼ばれる構造が使われており、こうした出入り口に対する見直しも進められます。

重点対策箇所の一覧(国交省PDF)https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/reverse_run/pdf08/04.pdf

物理的衝撃で逆走に気づかせる新技術も導入へ

これまで、高速道路各社では矢印の路面表示やカラー塗装などの視覚的な対策が中心でしたが、それだけでは逆走を完全には防げないのが実情です。
今回、国交省は10種類の効果的な技術を想定し、各地での導入を促進します。その一例としては、

  • ・路面に突起物を設置し、逆走時に物理的な衝撃を与える
  • ・音声案内やセンサーの活用
  • ・夜間でも視認しやすい発光型表示板の設置

などが挙げられています。

ブレードを埋め込み、逆走車にだけ衝撃を与えるようにした路面(引用元:株式会社 ダイレクより)

対策完了は2028年度を目標に

国交省は、これらの対策を2028年度中に完了させる方針です。高速道路各社がそれぞれの現場に応じた技術を導入し、視覚・聴覚・物理的な複合対策によって逆走を未然に防ぐ体制を整える計画です。
そして、高齢ドライバーの増加が見込まれる中、より実効性の高い対策が求められています。

<引用:国土交通省
https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/reverse_run/doc08.html