高速道路リニューアルプロジェクトとは?老朽化への挑戦と渋滞対策

2025年7月7日

老朽化の進行と深刻な交通負荷

中央道を含むNEXCO中日本管轄の高速道路約2,100 kmのうち、特に東名・中央道は全線開通から30年以上が経過し、区間によっては開通から約60年近い老朽化が進んでいます(全線開通は1982年11月、初開通は1967年12月)。
中央道の一日当たり利用台数は、1982年度約15万台が2017年度には約22万台へ増加し、物流を支える大型車の増加もあり、構造物への負荷はさらに増大しています。

(引用元:NEXCO中日本)

(引用元:NEXCO中日本)

約1.5兆円規模のリニューアルプロジェクト

NEXCO中日本は、老朽化の深刻な路線に対し、2018年以降、段階的に大規模リニューアル工事を全国複数区間で展開中です。総事業費は約1.5兆円規模に達するとされ、安全性の確保と渋滞緩和を両立させる狙いがあります。
橋梁やトンネル、床版などの更新に加え、橋梁基盤の防水や塩害防止を目的としたプレストレスト・PCスラブへの交換も進んでいます。

橋梁の工事内容

(引用元:NEXCO中日本)

トンネルの工事内容

(引用元:NEXCO中日本)

土構造物の工事内容

(引用元:NEXCO中日本)

老朽化・渋滞の“最前線”

初期開通区間である高井戸IC~八王子ICや、中津川~小牧JCTなど、交通量が集中する区間では劣化の進行が著しく、JCT地点ではボトルネック化と渋滞が常態化しています。
特に八王子JCT、大月JCT、双葉JCT、岡谷JCT、土岐JCTは交通要衝としての重要性が高く、優先的にリニューアル対象とされています。

工事による交通制御と協調体制

大規模工事を進めながらも渋滞を抑えるため、NEXCO中日本は渋滞ピークや大型イベントの日程を考慮した工事調整を実施。加えて、関係自治体や警察と連携した交通規制プランにより、可能な限り交通への影響を最小化しています。
また、スマホアプリやウェブでの事前周知、片側通行などによる交通流維持といった施策も含まれ、安全かつ円滑な運用をめざしています。

暮らしと経済の大動脈を未来へ

老朽化対策は単なる補修に留まらず、「集中工事」「i-MOVEMENT技術」「自動運転対応」などを通じ、将来を見据えた高速道路管理へと進化中です。
これにより、安全性・耐久性・利便性を担保し、生活・物流の円滑化に資する道路網に再構築されつつあります。

<引用:NEXCO中日本
https://www.c-nexco.co.jp/koushin/