「追越車線が混んでいるから左から抜いた」はNG？

高速道路などでよくあるのが、「右側の追越車線が混んでいるから、左側の走行車線から前の車を抜いた」というシーン。一見するとスムーズに進んでいるだけのように見えますが、実はこれが違反行為になる可能性があるのをご存知でしょうか？

道路交通法では、基本的に追い越しは右側からと定められています。つまり、たとえ左側の車線が空いていたとしても、前方の車を左から抜く行為は「追い越し違反」に該当する場合があります。

追い越しの正しいルールとは

そもそも「追い越し」とは、進路を変更して他の車両の前に出る行為のことを指します。このとき、基本的には前の車両の右側を通って追い越す必要があります。左側から進んで前に出た場合、それが進路変更を伴っていれば、違反と見なされるケースがあるのです。

一方で、「追い抜き」と呼ばれる行為は、進路変更せずにそのまま並走して前に出ることを指し、これは基本的に違反ではありません。しかし判断が非常に紛らわしいため、運転中は慎重な対応が求められます。

「追越禁止」標識とその意味

さらに注意したいのが、「追越禁止」の標識や道路表示がある区間。たとえ右側からであっても、この標識がある場所で前の車を追い越せば違反になります。

追越禁止は、見通しの悪いカーブやトンネル、坂の頂上付近など、事故のリスクが高い場所に設けられています。違反した場合には、反則金や違反点数が科されることもあるため、標識には十分注意しましょう。

スムーズで安全な走行のために

追い越しのルールを正しく理解することは、単なる違反の回避にとどまりません。交通の流れを妨げず、無用なトラブルを避けるためにも重要です。

たとえば、追い越し後に速やかに走行車線に戻れば、後続車にとっても分かりやすい運転となり、交通全体がスムーズになります。逆に、追越車線を走り続けてしまえば、他の車の追い越しを妨げ、渋滞や事故の原因にもなりかねません。

「空いているから」「早く進みたいから」といった理由だけで車線変更するのではなく、交通ルールを踏まえて冷静に判断することが、安全運転の第一歩です。

まとめ

運転中は、「ちょっとした判断ミス」が違反や事故につながることがあります。とくに追い越しの場面では、進路変更の有無、標識の有無、車線の意味など、注意すべきポイントが多くあります。

正しい知識を持って、安全・円滑なドライブを心がけましょう。