日本気象協会は10月21日、冬用タイヤの交換時期の目安となる『冬用タイヤ準備前線』を発表しました。今年は全国的に冬の訪れが早まる見込みで、昨年よりも早めの準備が呼びかけられています。

（引用元：日本気象協会より）

北海道・東北ではすでに装着が必要な地域も

強い寒気の影響で、北海道では平地でも雪が観測され、20日には稚内、旭川、網走で初雪を観測しました。東北でも岩手山で初冠雪が見られるなど、冬の気配が急速に進んでいます。すでに中山峠（北海道）や仙岩トンネル（東北）、三国峠（上信越）などの標高の高い地域では、冬用タイヤの装着が必要な状況です。

11月にかけては、寒気が周期的に南下する見込みで、日本海側や東日本の山沿いでは11月前半までに、平野部でも11月後半までの交換が推奨されています。

局地的な大雪にも注意を

12月は、北日本の日本海側や北陸で冬型の気圧配置が強まる時期があると見込まれています。日本海の海面水温が平年より高くなる可能性があり、寒気が流れ込む際には局地的に大雪となるおそれがあります。ノーマルタイヤでの走行は非常に危険なため、必ず冬用タイヤの準備を整えてください。

冬の安全運転に向けた事前準備と注意ポイント

車も心も“冬支度”を早めに

冬本番を迎える前に、冬用タイヤや冬用ワイパー、不凍タイプのウォッシャー液への交換を行いましょう。エンジンやバッテリーの点検も重要です。整備を済ませてから出発することで、トラブル防止につながります。

タイヤ交換後はナットと空気圧を必ず確認

冬用タイヤ交換のピーク時期には、ナットの緩みなどが原因で「脱輪」が発生するケースがあります。脱輪は重大事故につながるおそれがあるため、交換後は必ず締め付けの確認と空気圧の点検を行いましょう。

冬型の運転を意識して「急」のつく操作を避ける

冬季は、ハンドルやブレーキの操作ミスによる事故が増加します。特に降雪時や路面凍結が予想される朝晩は注意が必要です。急発進・急ハンドル・急ブレーキといった「急」のつく操作を控え、落ち着いた運転を心がけましょう。

早めの準備が“安心の冬道”につながる

雪道では、冬用タイヤやチェーンの装着が法令で義務付けられています。ノーマルタイヤでは制動距離が冬用タイヤの約1.7倍にもなるとの実験結果もあり、走行性能が大きく低下します。
また、新品の冬用タイヤを購入した場合は、慣らし走行を行い、性能を十分に引き出しておくことも重要です。

今年は昨年よりも早い冬の到来が予想されています。ドライバーの皆さまは、早めのタイヤ交換と安全運転で、冬の道路を安心して走行できるよう備えましょう。

＜引用：日本気象協会
https://tenki.jp/forecaster/j_ueda/2025/10/21/36232.html＞