「それ、割り込みじゃありません!」 渋滞を減らす『ファスナー合流』の正しいやり方

早めの合流はマナー? 実はそれが渋滞の原因かもしれません
高速道路や都市高速に入るとき、合流車線(加速車線)でどのタイミングで本線に入るか迷ったことはありませんか?「早めに入ったほうがマナーがいい」と思っている方も多いのですが、実はそれが渋滞を悪化させることがあります。
加速車線の途中で早めに本線へ入ろうとすると、本線を走る車がブレーキを踏んでしまい、結果的に後ろの車まで流れが止まってしまいます。
一方、合流車線を最後までしっかり使い、先頭まで進んでから合流したほうが、車の流れがスムーズになります。
ただし、「先頭まで行くなんてズルい」「割り込みみたい」と思われてしまうこともあります。 でも実は、渋滞時には“先頭まで進んでから交互に合流する”のが正しい方法なのです。
「ファスナー合流」ってなに?
この合流方法は「ファスナー合流」または「ジッパー合流」と呼ばれています。 名前の通り、ファスナーの歯のように左右の車が1台ずつ交互に合わさっていくイメージです。
NEXCO中日本の資料によると、この方法を守ることで渋滞の発生を最大40%減らせるとされています。

(引用元:名古屋高速)
ファスナー合流の正しいやり方
合流車線側と本線側、それぞれに守るポイントがあります。
まず、合流する側のドライバーは、加速車線をしっかり使って先頭まで進みましょう。
その上で、ウインカーを早めに出し、本線を走る車と速度を合わせます。そして、合流ポイントで1台ずつ交互に入るようにしましょう。
次に、本線を走る側のドライバーは、合流してくる車を1台ずつ受け入れる意識が大切です。前の車に続いて無理に詰めようとせず、少しだけ間をあけることでスムーズに流れます。
進む取り組み!日本でも広がる「交互合流」
最近では、日本各地の高速道路でファスナー合流を促す取り組みが増えています。
NEXCO中日本では、名神高速や東海北陸道などで「交互合流」の標識を設置したり、ラバーポールで走行位置をわかりやすくしたりしています。
これらの取り組みは、単なるマナー啓発ではなく、実際に渋滞や事故を減らすための大切な工夫です。
実施後には「走りやすくなった」「合流がスムーズになった」という声も増えているそうです。
譲り合いが安全な道路をつくります
ファスナー合流は、ドライバー同士が少しずつ譲り合うことで道路全体をスムーズにする仕組みです。
「先頭まで進むのはズルじゃない」「譲るのは損じゃない」この考え方をみんなが持てば、渋滞もトラブルも確実に減っていきます。
次に合流するときは、焦らず、互いにタイミングを合わせて、ファスナーの歯のように“1台ずつきれいに”合流してみてください。それが、あなた自身と周りのドライバーを守る、安全でスマートな運転の第一歩になります。
<引用:NEXCO中日本
https://www.c-nexco.co.jp/images/news/4677/187f4106fa5a3aeaad413cd27deb51e3.pdf>
<引用:名古屋高速
https://www.nagoya-expressway.or.jp/guide/safety/oshirase/07.html>