【猛暑明けは要注意】高速道路の故障原因1位は「タイヤ」!社用車の点検ポイントは?

高速道路の路上故障、約4割は「タイヤ」が原因
高速道路上で車が動けなくなる路上故障。その原因の第1位は、バッテリー上がりでもガス欠でもなく「タイヤ(ホイール)の破損」です。NEXCO東日本の統計では、高速道路上の路上故障のうちタイヤ関連が約4割(令和4年で39.6%)を占め、2位のバッテリー不良(14.2%)を大きく引き離しています。JAFのロードサービス救援データでも、高速道路での四輪車のタイヤ関連トラブル(パンク・バースト・空気圧不足)は年間約2万7,000件にのぼり、出動理由全体の4割超を占めています。
特に注意したいのが、記録的な猛暑となった今年の夏を越えたこれからの時期です。高温の路面を走り続けたタイヤは、目に見えないダメージを蓄積しています。本記事では、車両管理担当者が押さえておきたいタイヤトラブルの原因と、社用車の点検ポイントを整理します。
なぜ夏の後にバーストが起きやすいのか
高速走行中のバースト(破裂)の最大の要因は空気圧の不足です。空気圧が不足したタイヤは走行中に大きなたわみを繰り返し、内部に異常な熱を持ちます。高速走行時には接地面の後方が波打つように変形する「スタンディングウェーブ現象」が発生し、タイヤの構造が破壊されてバーストに至ります。
タイヤの空気は何もしなくても1か月で5%ほど自然に低下するといわれています。さらに夏場の高温路面はゴムの劣化を早め、ひび割れや偏摩耗といったダメージを進行させます。「夏を無事に乗り切ったから大丈夫」ではなく、酷暑でダメージを受けた直後の秋口こそ、バーストのリスクが高まるタイミングと考えるべきです。秋は物流量が増え、長距離運行が多くなる季節でもあります。
社用車のタイヤ点検4つのチェックポイント
高速道路を利用する前に、最低限次の4点を確認しましょう。
- 1.空気圧:運転席ドア付近のラベルに記載された車両指定空気圧に調整します。月1回以上、および高速道路の利用前に点検するのが基本です。多くのサービスエリア・ガソリンスタンドで無料点検できます。
- 2.残り溝:溝の深さが1.6mm未満(スリップサイン露出)での走行は法令違反です。ただし高速走行や雨天時は、残り溝が新品の半分程度でも排水性能が大きく低下します。スリップサインが出る前の早めの交換を心がけましょう。
- 3.ひび割れ・傷:側面(サイドウォール)のひび割れ、釘などの異物の刺さり、縁石に乗り上げた際の傷は、走行中の破損につながります。タイヤを一周させて目視確認しましょう。
- 4.製造年・使用年数:ゴムは走行距離にかかわらず経年劣化します。タイヤ側面の製造番号(セリアル)で製造時期を確認し、使用開始から5年を過ぎたら販売店等での点検を、10年を目安に交換を検討しましょう。
日常点検は法人の義務|管理体制も見直しを
タイヤの点検は単なる心がけではありません。道路運送車両法第47条の2により、自動車の使用者には日常点検の実施が義務付けられており、タイヤの空気圧・亀裂損傷・溝の深さはその点検項目に含まれています。事業用車両やトラック等は1日1回、運行前の点検が必要です。
白ナンバーの社用車を一定台数以上使用する事業所でも、安全運転管理者を中心とした運行前の安全確認が求められます。ドライバー任せにせず、点検記録簿の運用やタイヤ交換時期の一括管理など、組織としてのチェック体制を整えることが、事故と突発的な運行停止の予防につながります。
もし高速道路上でタイヤが破損したら
万一走行中にバーストやパンクが起きた場合は、慌てて急ブレーキ・急ハンドルをせず、ハンドルをしっかり保持して緩やかに減速し、路肩や非常駐車帯に停車します。停車後は次の手順で身の安全を最優先してください。
- ・ハザードランプを点灯し、発炎筒と停止表示器材(三角表示板等)を車両後方に設置する(高速道路では表示義務があります)
- ・車内に残らず、同乗者全員がガードレールの外側など安全な場所へ避難する
- ・道路緊急ダイヤル「#9910」または110番、ロードサービスへ連絡する
高速道路上でのタイヤ交換は後続車との接触事故のリスクが極めて高いため、自分で行わずロードサービスに任せるのが原則です。
まとめ
酷暑を越えた社用車のタイヤ管理のポイントを整理します。
- ・高速道路の路上故障の約4割はタイヤ関連で、原因の第1位(NEXCO東日本統計)
- ・バーストの最大要因は空気圧不足。猛暑でダメージを受けた直後の秋口は特に注意
- ・点検は「空気圧・残り溝・ひび割れ・使用年数」の4点。空気圧は月1回以上+高速利用前に確認
- ・日常点検は道路運送車両法上の義務。事業用車両等は1日1回の運行前点検が必要
- ・万一の故障時は「ハザード→停止表示→ガードレール外へ避難→#9910」の順で安全確保
タイヤは車と路面をつなぐ唯一の接点です。秋の輸送繁忙期を迎える前のいま、自社車両のタイヤ点検体制をあらためて見直してみてはいかがでしょうか。
<引用:JAF
https://jaf-training.jp/column/expressway-breakdown/>