深夜割引の対象となる距離の上限を設定!!普通車は「1時間100kmまで」とするルール見直し案を国交省が検討

2024年1月17日

国交省の審議会で2023年11月7日、高速道路料金の2024年度中の深夜割引見直しに向け、無謀な運転を抑止する対策案が検討されています。高速道路の利用時間や、法定速度等により、各走行について、機械の計測誤差等を踏まえ、深夜割引の対象となる距離の上限を設けるという内容です。

現在の深夜割引

現在の深夜割引は、ETC搭載の全車種を対象に、0時から4時までの間に入口または出口の料金所を通過すると通行料金を30%割り引くというものです。走行距離の制限はありません。
しかし、近年ではこの割引を目的として、料金所の手前で割引開始の0時を待ったり、割引で走れる距離を伸ばそうとしてスピード違反を犯すなど、労働環境の悪化や無謀運転につながっていると指摘され、見直しが進められてきました。

深夜割引見直しの内容

これまでの深夜割引見直しの検討内容としては、
①対象時間帯を22時から翌5時までの7時間に拡大させる。
②割引はその対象時間帯に走行した分のみ(時間帯からはみ出た分は割引なし)とする。
③長距離利用者の負担軽減措置として、400km超の長距離逓減(割引)を拡充する。 
これらの内容を踏まえて今回追加で検討されている案は、車種区分や、22時から翌5時までの利用時間などに応じて、上限距離を設定するというものです。これは車両区分毎に適正な上限距離を設定することで、「時間内に長距離を走行したほうが安くなる」という状況を防ぎ、無謀運転を抑止することが狙いとしてあります。

深夜割引の対象となる距離の上限

軽自動車や普通自動車などの場合、割引対象距離は、1時間あたり100km+5kmが上限です。速度計の誤差を考慮して1時間あたり+5kmが設定されます。利用時間が4時間を超える場合は、休憩時間として利用時間30分に相当する上限距離を差し引かれ算出されます。大型車・特大車については、1時間あたり80km+5kmが上限距離になり、休憩時間の適用などは同じです。
割引対象となる一晩あたりの最大距離は、普通自動車等では、682.5km分、大型自動車等では552.5km分となります。ただし、400kmを超える走行については、深夜割引以上の割引を昼夜問わず適用する「長距離逓減制」が拡充される予定で、長距離利用の場合は深夜割引を狙う必要性が低くなります。

<参考:国交省https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/road01_sg_000664.html