トラックドライバー2030年には3割減少と試算!どうなる日本の物流

2023年10月31日

現在、日本の物流業界は慢性的にトラック運転手が不足している状態です。日本ロジスティクスシステム協会は、2015年に76万人いた貨物運送のドライバーが2030年には3割減ると試算しました。

トラックドライバー減少の要因

ドライバー不足の背景には、年齢構成の変化が大きく関係しているとされます。2022年では50代以上のドライバーが全体の約4割を占めるなど、ドライバーの高齢化が進んでいます。一方で、29歳以下の若年層は全体の10%ほどで全産業と比べて極めて低い状況です。
また、トラックドライバーの年収は、全産業平均に比して5%~10%程度低くく、低賃金傾向にあること、そして労働時間も全産業平均より約2割ほど長いことが労働者不足の要因ともされています。

さらに、2024年4月1日から施行される働き方改善関連法律により、トラックドライバーの拘束時間が短縮され、移動距離の制限も増えることで、日本の物流はさらに労働者不足に直面するとされています。

急ぐ運転手の確保と新たな運送手段

物流各社では2024年の問題に向けて、様々な対応案が出ています。佐川急便では2024年4月から個人向けの宅配便の基本運賃を平均で約7%上げるとし、運転手の代わりに荷物を積み込む人材の確保といった運転手の待遇改善に力を入れる方針です。また、ヤマト運輸や日本郵便なども値上げや待遇改善を進める方針です。 
また、新たな運送手段として、トラック等の自動車で行われている貨物輸送を、環境負荷の小さい鉄道や船舶の利用へと転換する「モーダルシフト」という手段も労働力不足の解消・働き方改革という観点から注目されています。しかし、現在、国内貨物の輸送量に占める鉄道の割合は5%程度とされ、本格的な代替手段としてはまだ時間がかかるようです。

<参考:経済産業省・国土交通省・農林水産省https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/sustainable_logistics/pdf/001_02_00.pdf

<参考:産経ニュースhttps://www.sankei.com/article/20231026-MNO7VTKOPJMZZCGAWVCZSLFXLI/

<参考:国土交通省https://www.mlit.go.jp/tetudo/tetudo_tk2_000015.html